内部統制で購買管理を適正化する

購買部門は、間接材の購買および仕入れ管理などさまざまな資材の購入を管理しています。そのため、経営者や管理者は、内部統制に関する知識も身に付け、不正の防止に向けた対応も大切です。

ここでは購買管理において重要な内部統制について解説します。

購買管理規程とは?

間接材を含む購買業務を担当している購買部門は企業の予算を活用できるため、不正の温床になりやすい側面もあります。

購買管理における不正を未然に防ぐには、不正防止につながる適切なルールの作成と周知徹底が必要です。

購買管理規程は、いわゆる購買管理の不正防止に関するルールです。また、購買管理規程には、総則と購買計画・取引先・発注・検収・仕入れ計上・支払という7項目に関するルールが定められています。

適切な購買管理を行うには、購買管理規程を定めた上で適切な取引先から適正価格および適正納期で間接材や資材などを購入する必要があります。

購買管理における内部統制の構築ポイント

同じ担当者による業務の定着を防ぐ

ある担当者に長年購買管理を任せていると、取引先との癒着リスク上昇につながります。具体的には、取引先の営業担当者と自社の購買管理担当者との間で不正取引が起きる可能性があるため、定期的に担当者を変更するのも大切です。

発注や支払いなど各部門の担当を分ける

職務分掌に沿った内部統制は、購買管理の不正防止において重要なポイントです。職務分掌とは、部門や業務範囲を明確に分けて、なおかつ責任の所在もはっきりさせる体制のことです。

たとえば、発注部門と検収管理部門の担当者を兼任させない、他部門の情報や管理システムへ容易にアクセスできないよう担当を別々に分けるといった体制を指します。また、発注と検収担当を別々に分けることで、正しい取引が行われているか2回に分けてチェックできます。

業務範囲や部門の兼任は、避けるのが大切です。

買掛金残高管理をはじめチェック機能の強化

買掛金残高管理をあいまいにしたり未承認で誰でも書き換えられたりできないようチェック機能強化することは、不正取引や改ざんの防止につながります。

各種書類の作成や発注時には、責任者による承認およびチェック体制を構築するのも重要です。

購買管理システムの導入で不正を防止する

購買管理規程を定めたとしても、発注書類や請求書などの各種書類、担当者の手続き記録をその都度チェックするのは難しいことです。

購買管理システムを導入した場合は、購買管理部門の担当者がどのように作業を行っているか、取引先とどのようなやり取りを行っているか全て見える化できます。また、購買履歴を漏れなく記録できるため、不正取引防止および不正された場合に迅速なチェックを進められます。

さらにシステムの操作方法などを標準化でき、属人化による不正を防ぐことが可能です。

適切な購買管理に向けた準備や検討を進めている時は、購買管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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